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志摩半島野生動物シンポジウム報告

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第10回 志摩半島野生動物シンポジウムに今日は参加してきました。当日は生憎の雨でしたが、なんとか無事に中川コミニュティセンターに到着。会場は広く参加者も市民・研究者と多く、自然豊かな伊勢・志摩半島感心の高さを物語っていました。三重の海のスナメリ・ウミガメのストランディング調査やウミガメの産卵調査を行っている三重大サークル「かめっぷり」から発表が始まりました。主催の志摩半島野生動物研究会のみなさんの努力はこのような活動の拡がりに感じ入る事が出来ました。三重県は自然が豊かでこのような環境を活動を持って保全していく事の重要性が理解出来ました。このような地域シンポジウムが東三河でも市民の手で開催が出来ると良いですね。主催者の志摩半島野生動物研究会の努力、また表浜ネットワークにもお声をお掛け頂き有意義な会に参加させていただき感謝致します。ご苦労様でした。

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シンポジウム会場の中川コミニュティセンター
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続く、講演は
・志摩半島の里海
(志摩半島野生動物研究会 若林郁夫)
・七里御浜の今昔
(熊野の自然を考える会代表・熊野古道センター長 花尻薫)
・伊勢湾の干潟と藻場の減少
(三重県科学技術振興センター水産研究部丸山拓也)
三重県の研究者からのレポートです。志摩半島のスナメリから・ウミガメのストランディング調査からウミガメ産卵調査、自然記録や観察を幅広く行っている志摩半島野生動物研究会。
伊勢湾を航行するフェリーからのスナメリ・マイルカの観察記録を行い生息数を把握しようと言う活動。運賃などでかなりお金が飛んでいきそうですが努力の賜。様々な事が数値から知ることが出来ました。伊勢。志摩の里海の豊かさを理解。
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七里御浜からは昨年の「日本ウミガメ会議」でもお世話になった「熊野の自然を考える会」熊野古道センター長でもある花尻さんの報告です。七里御浜の砂浜の消失は深刻で侵食問題の根源でもある護岸工事の副作用・河川の砂利採集やダムなどによる影響など。独自で砂浜を長年測量され、数値を記録として蓄積される努力は脱帽です。ウミガメの保全などと共に熊野の自然をこよなく愛される方でした。

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続く、「伊勢湾の干潟と藻場の減少」は三重県科学技術振興センター水産研究部丸山拓也の報告です。魚のゆりかごとも言われる干潟や藻場の消失は伊勢湾では1970年代に入ると共に急速化し、現在の漁業不信の原因となっています。また、干潟・藻場の消失と比例し貧酸素水域の拡大は水産の脅威となっています。今なお続く、埋め立てや浚渫などで青潮の多発がこれからの里海を持続できるかどうかの課題となっているようです。
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午後からは特別講演。「長年の調査活動から分かったこと」
・瀬戸内海のスナメリでみたこと:里海にしのびよる危機
(元 三重大学生物資源学部教授粕谷俊雄
・市民の調査活動が明らかにしたアカウミガメの生態
日本ウミガメ協議会会長・東京大学大学院客員准教授 亀崎直樹
鯨類の調査・研究を続けてこられた粕谷さんと日本ウミガメ協議会の代表:亀崎氏の報告です。粕谷氏は特に瀬戸内海のスナメリの減少動向を取り上げられ、瀬戸内海の環境変化を危惧されていました。また、亀崎氏はこの表浜ネットの理事でもある訳で、市民活動の有効性を専門家から見た立場で解説。広域調査、特に全国のウミガメの産卵やストランディングなどの情報が如何に生態を把握するのに大きく評価されてきているのか。また、今後はその優位性を専門研究者と共に目標設定など行い進める事で、今まで不明な生態の把握が進むと報告されました。

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セッション2に入り、里海各地からの報告です。

・大阪湾沿岸の生物と環境再生の取り組み
  (大阪府環境農林水産総合研究所 鍋島靖信)

意外な大阪湾の生物の多様性。驚くのは海流変動の影響か生物層の偏り、大量発生です。
閉鎖性の高い湾内でしかも、自然海岸は全体の1%と言う極端な環境でも海洋資源として大きな消費を支えている。しかし、湾内の生物の変動は大きな脅威を感じました。

・大阪湾におけるスナメリの生息状況について
(大阪コミュニケーションアート専門学校 神田育子・近藤茂則・北林遼也)

瀬戸内海のスナメリを航行するフェリーを使っての調査。瀬戸内海のスナメリも大きく環境変化に影響され追いやられているようです。

・侵食と人工化する海岸
(NPO法人表浜ネットワーク 田中雄二)

人工化が進む海岸とその環境を把握する動物指標アカウミガメを紹介し、海浜環境の連続性の重要さと、保全の方向などを報告しました。

   ・伊勢湾のシギ・チドリ
(日本野鳥の会三重県支部 平井正志)

ミユビシギ・ハマシギなど海浜・干潟環境を利用する渡り鳥の国際的な位置などを報告いただきました。ミユビシギ・ハマシギは表浜でも良く確認されます。実は観察・調査は干潟など渡り鳥が集約されるような観測地に限られてしまうようです。海岸など広域な地の観測も行ってみる価値がありそうですね。

   ・英虞湾再生の取り組み
(英虞湾再生コンソーシアム幹事長 原条誠也/三重県科学技術振興センター水産研
究部 国分秀樹)

真珠など地元産業と海洋研究所の取り組みを報告されました。やはり地元産業との協働は展開も早く、連携は重要ですね。英虞湾などは極端な閉鎖性海域であり、産業の環境負荷も大きく影響しているようです。その産業が調査協力や干潟造成などに取り組み、地域を含めた保全に向けての報告でした。

   ・干潟と河口域の貝の現状
(三重自然誌の会 中野 環)

人工化は砂浜の比ではないようです。河口や干潟の生態系の保全は容易ではない。知らない・気づかない内にその地の固有種や生態が消失している。その意味でも今後は調査把握は重要でしょうし、その情報を上手く、一般市民に公開し保全に向けて行く事が大切でしょう。

・志摩地区沿岸における外来植物駆除の取り組み
(志摩半島野生動物研究会 半田俊彦)

志摩沖に浮かぶ無人島での自生種ハマユウの保全に向けての報告です。外来植物アツバキミヨランの繁殖を駆除する活動とその外来種の調査報告です。
シンポ外ですが、懇親会では研究員の半田さんとは翌朝まで外来種の討論で盛り上がりました。色々と勉強になりましたし、研究・調査の必要性を確認出来ました。(少々飲み過ぎましたが)

伊勢・志摩の自然環境に関わるみなさんの努力と地道に続けられる活動に色々と、参考にさせていただこうと考えています。一つの生態や一地域の調査では大きな環境変化に対応出来ない時も多々あります。このような地域シンポジウムを情報の連携の目的として行う意義、表浜でも参考にさせて頂こうと思います。関係者のみなさま、ご苦労様でした。

愛・地球ニュースでも取り上げられました。
海の“生物多様性”を守る市民の活動 ── 志摩半島野生動物シンポジウム 第10回記念大会

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