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思い込みのウミガメ保護


**思い込みのウミガメ保護vol.1**(vol.2は続き
※字が読みにくい点了承ください。ポーズボタンを押せば映像は止まって読みやすいですよ。
(思い込みのウミガメ保護Vol.1〜2、是非ともご参照ください。)

仔ガメの放流会では目が届く所までしか、私たちは見送っていません。実は放流した仔ガメは沖に向かう事も外洋に出て成長の旅に行くことも出来ていないようです。私たちは見送ってしまえば仔ガメが成長すると思い込んでいるのでは無いのでしょうか?実は仔ガメが海に出てしまったら、その後は何も解っていなかったのが現状だったのです。アカウミガメは北太平洋を海流に乗って成長への旅を行っています。その旅に出る事が出来なかった場合はその仔ガメに待ち受けているのは死だけなのです。現在、その間違った認識の下で行われている保護活動「仔ガメの放流会」で実は何万匹もの仔ガメが犠牲になっているようです。そろそろやめましょう!子どもの感動する心を大人の都合で利用しないで事実を伝えましょう!!


**思い込みのウミガメ保護vol.2**
※字が読みにくい点了承ください。ポーズボタンを押せば映像は止まって読みやすいですよ。

京大院:奥山氏の
「興奮期を過ぎた仔ガメは外洋へ行けるか?」
奥山氏の了解を得てこの報告を紹介致します。
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フレンジー(活性期)の過ぎた稚ガメは成長する為に外洋に行けるか?産卵巣から脱出したばかりの稚ガメは直ぐに海に向かいます。それは活性期(24時間程度)に入って一気に砂浜を脱して海に向かい、そして黒潮流れる海域まで目指す為と言われています。この稚ガメの生存に重要な時期を失った場合、果たして稚ガメは生き残れるのか?この疑問をアオウミガメの仔ガメを使い調査した結果を報告。
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調査サンプルはアオウミガメの仔ガメ、2時間前に孵化した仔ガメ(興奮期)、7日間飼育した仔ガメ(脱興奮期)、28日間飼育した仔ガメと分けて同様の条件で放流します。
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但し、放流は夜間では確認出来ない点や危険なので日中となる。アオウミガメの定位や軌道はこのような実験装置(電波テレメトリー)で追跡する。
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今回の調査項目
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脱出後1日目の仔ガメの軌跡
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飼育7日後の興奮期が過ぎた仔ガメの軌跡。波への定位が劣る傾向。
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飼育28日後の仔ガメの軌跡。既に外洋に向かう気力が無くなっている。
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上記の3例からも、違いが如実に表れている。特に波に向かって行く定位性が飼育日数の増加と共に劣っている。これは波が陸に向かって平行に届く為、仔ガメは波に垂直方向に向かう事で沖に出ることが出来る。この能力は仔ガメにとって外洋の海流になる重要な要素となる。この波への定位が失われる事は仔ガメの生存にも大きく関与する。
また実験は日中に行われており、実際の夜間では日数の経ってしまった仔ガメは浮遊傾向に陥る場合が多い。興奮期を過ぎた仔ガメは夜間では寄り、浮遊傾向に向かうと言う事が予測される。
仔ガメの移動速度にも差が生じる。
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さきほどの波の定位による、遊泳方向への影響。
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波への定位。日数が経過すると定位性が極端に下がる。
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まとめ。この結果はアカウミガメでも仔ガメの性質差は無い事から、同様の結果と予測される。興奮期を失する事は仔ガメにとっては生存の可能性を奪う結果となる。
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現在も続けられている保護活動の一環としての「仔ガメの放流会」の問題点
1.イベントに合わせた時間・日程まで仔ガメが保留される。
 (興奮期の消失)
2.イベントに合わせて卵・稚ガメが集められる。
 (なぜウミガメはランダムに産卵地を選ぶのか本質を見失う)
3.白昼の放流は外敵にさらされてしまう。
 (なぜ夜間に脱出を行うのかウミガメの生態を無視。日中は鳥や魚など外敵に見つかりやすいし、高温に因る体力低下も招く)

また、仔ガメの走光性に於いて一端、海に向かった仔ガメが再度、陸の灯りに向かって来ると言う事はありえません。実際には興奮期(フレンジー)が終わった脆弱な稚ガメが沿岸流で流れ着く事はあります。これも、興奮期を過ぎた仔ガメを放流する事で起きる現象と認められます。

また、人工孵化場への卵の集約も問題が存在します。

1.ウミガメの臨界温度による性決定を偏らせる。
 (29度以下はオス、以上はメス。均一な環境下では温度依存性決定(TSD)が働かない)
2.ウミガメの種の存続理由の一つに、産卵背景に於ける多様性が認められる。
 (異なる環境の産卵地により、多様性を得て種の存続の道を選んできた)
3.人工孵化場は人の生産性の観念に陥る。
 (保護と言えど人が関与し過ぎる場合は生産性が過剰になり生態の能力からかけ離れる)

以上のような点から、放流は出来るだけ早く、時間帯にも留意しながら行う必要があります。
人工孵化場より、自然の砂浜を保つ、もしくは戻す事が最善な孵化環境の構築になります。
現在、多く保護と思われている「仔ガメの放流会」や「人工孵化場への卵の集約」は実際のウミガメの生態を把握しないで、人の思い込みが優先されています。
教育観点からの放流会でも、あまりにも定期化したり、商業主義に陥るとウミガメの減少の要因になってきているようです。
未だにウミガメの生態は把握されている部分は少なく、ほとんどの部分が解っていません。これはウミガメが大洋で生活する為、調査・研究追跡が困難を伴うからで、現在でやっと近海での行動が解明され始めたのです。
 特に北太平洋域のアカウミガメは西日本の沿岸の砂浜でしか産卵が認められていません。言ってみれば北太平洋域のアカウミガメは日本でしか生まれないのです。ハワイやアメリカ大陸のアカウミガメもほとんどが日本生まれなのです。
その様な意味からも北太平洋域のアカウミガメを保全する事は日本に大きな責任があるのです。

参考:日本ウミガメ協議会 やめよう仔ガメの放流会

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