- 2008-11-28 (金)
- 表浜のウミガメレポート | 表浜ネットワークから

2008年度日本ウミガメ会議明石会議が開催されました。今回の基調講演はウミガメ研究の権威、ラルフ・アッカーマン博士。ウミガメが絶滅に瀕してる原因の一つにウミガメの生活史のなかで初期段階である陸上で過ごす、胚の発生の段階に関係していることは見逃せない。どういう事かというと孵卵環境に大きく関与する砂浜である。率直に言えば、砂浜に分散されて産み付けられた産卵巣をヒトが集約し、人工的な孵化場で孵化させることが、ウミガメにとって、どれだけの影響を与えてしまうのか。良かれと思った保護活動の典型例が如何にウミガメの生態系を理解していないかという内容。非常に興味深い展開からウミガメ会議は始まりました。そう、今回のテーマはウミガメの発生を支える環境である砂浜にポイントが置かれています。孵化場を備えるのでは無くて、如何に自然の砂浜を保全すべきか。これが一番大切なのです。
今回の開催地である明石市

自然海岸はありません。なんだか寂しい気がします。

会場に到着するとポスター発表の準備中。昨年、非常に興味深い口頭発表を行っていたカメフジツボの第一人者である千葉大自然科学の林亮太氏。昨年は付着したフジツボでウミガメの生息域を判断しようと試みでした。

他にも興味深い発表も沢山。今回は豊橋から桜丘高校生物部の子ども達もポスター発表に参加!詳細は今村研究員から報告があるのかな?

開会式。日本ウミガメ協議会の亀崎代表からの開会宣言

砂浜の砂中環境とウミガメ卵の発生の関係の研究者、米国・アイオワ州立大学のラルフ・アッカーマン博士の基調講演

「アカウミガメ卵の発生に必要な砂浜の環境」興味深い講演でした。

卵の構造。胚の発生は黄身から栄養を得て胚が成長する。そして水とガス交換の影響も重要。

各層はガスの排出や水分の補給に重要な役割をもっています。

約60日で成長し、孵卵温度は30度前後、そして99%の水分とガス交換が胚の成長には重要。

T.S.D(体験温度に依存にする、性決定)



酸素、炭素、交換と温度

絶妙な交換システムですね。


砂浜にはこれだけの機能が備わっているのです。

砂浜の温度バランス。熱は陽差しから。意外に地下水も大きく温度バランス要因に働きます。

砂浜の確定された温度。知りたかった内容が続きます。

砂浜の水のバランス

絶妙ですね。つくづく自然が創り出した構成に驚きます。

砂浜の温度変化。狭い範囲ですが、綺麗にプロットされています。ここで砂の粒径が気になり出しました。表浜ネットでもデータロガーにて計測しているので関心が高いです。


これは孵卵時期に雨の降らないイスラエルのビーチにて計測されています。クラッチ全体を一つの環境として捉えているところが面白いですね。

砂浜の含水率による影響

ここで養浜された浜の硬度?が問題に。但し、海外の養浜は日本で言う置き土的な養浜ですから、上からの圧力で固まってしまいます。固められた養浜された浜は孵卵が適さない。
この養浜には砂の粒径による影響があるのかと。たぶん粒径がかなり細かいシルトに近い砂質ではと憶測。この点、堆砂垣による養浜は風による拡散が行われるので非常に良い結果を得ています。風という自然の拡散も上手く孵卵環境の改善に働いているのです。下の写真はラルフ博士が調査にと使った穴掘り器が砂地の堅さに壊れてしまった。浜崖部の上段が養浜された部分です。硬そうですね。

自然砂浜が最適なのは言うまでもなく。

まとめ

基調講演のあとのパネルディスカッション。左から豊橋技術科学大学建設工学海岸工学研究室の青木教授。そしてラルフ・アッカーマン博士、そして日本ウミガメ協議会亀崎会長。

青木教授から現在の海岸工学から。動的な管理と必要最小限にインパクトを抑える方向に変わってきている現在の海岸保全。


開会式まで時間があったので、遅めの昼食or夜食です。明石焼きに表情が崩れる今村研究員。
(実は当方、この時間は理事会だったのです。忘れていました。反省!)

続く・・・・
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