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今度は海浜植生の棚に

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写真の場所は表浜でも貴重なコウボウムギとハマヒルガオの豊かな海浜植生の棚でした。残念なことに、ここにも「孵化場」が設置されるようです。「生物多様性」と謳いながら危惧種を囲いに隔離し、種の劣化をも恐れない保護とされるこの事業。その施設は貴重な海浜植生を逆に破壊し作られます。本当に「生物多様性」を理解するのならば、自然の砂浜と海浜植物の働きをしっかりと理解し、その複雑な環境の中でしか存続出来ない希少種ウミガメを守るべきなのではないのでしょうか。危惧種だけ囲い込み、隔離的に保護?しても自然の砂浜が荒廃しては種の存続は出来ません。非常に残念です。お願いです。再度、考え直しませんか?

***流出の可能性があるものを対象と言われていますが?***

その前にやるべきことは沢山あります。「孵化場」が発生に与える影響は高すぎます。

・「孵化場」を作るまえに、どのぐらい産卵巣が流出するのか調査するべきです。

 砂浜は複雑な環境です。実際に流出の可能性を見出すのは困難です。判断には経験差が生じます。しかも実際には流出は年に数カ所程度です。三箇所の「孵化場」は明らかに過剰設備です。

・移植による、孵化率の調査を行うべきです。
 私たちも行っていますが、孵化率の増減の要因は把握出来ていません。

・孵化場の運営に無理が無いのか、しっかりと検討すべきです。

 いったん、作ってしまうと砂の入れ替えや、脱出時の注意などとても大変です。
 また、イタチなど小型の生き物の餌場と化してしまう恐れもあります。
また移植時も流出の判定はとても困難です。個人差が出てしまいなし崩しに移植が慣例化する可能性もあります。「孵化場」という対策にリスクを負ってまで移植する必要があるのでしょうか?

ここは表浜でも海浜植生の豊かな砂丘棚です。コウボウムギ、ハマヒルガオ、ハマエンドウ、テリハノイバラと様々な貴重な海浜植生が形成されています。
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この植生棚に、「孵化場」が。春に芽吹き始めたコウボウムギの芽も荒らされてしまっています。
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4月も後半になれば、ハマヒルガオが咲き乱れるはずなのに。
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この植物棚は表浜でも本当に豊かな海浜植生を支えています。
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どうやら、「生物多様性」の名の元で、まったく生物多様性を無視した事業「孵化場」が、ここで始まるようです。安易な保護と介入は環境の多様性の上に成り立つ種にとって、種の劣化を増長させる可能性があります。

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砂丘の植生さえ、荒らしてしまいます。
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安易に野生動物に手を出し、種の発生を集約をしてしまうことは野生動物に対して過剰関与となってしまいます。生物多様性の意味からも対極的なことを行うことになります。ウミガメは危険分散をさせる為でもありますが様々な場所で産卵します。またウミガメ特有のT.S.D(温度依存性決定)にも理解出来るように、孵卵中の生育環境を多様にすることで外部から受ける影響を上手く利用し多様化に対応しているのです。「孵化場」のような集約は、この多様性を無視した行いとしか言えないのでは?孵化場への集約は多様性と対極にあるのです。

参考資料
思い込みのウミガメ保護

本来の生物多様性事業「多様な海浜環境の構築こそが生物多様性です」

片や、豊橋市が「エコ・コースト事業」という形で自然の砂浜を再生させている自然再生事業を行っているのですが、これでは台無しです。自然の砂浜を再生することは立派な「生物多様性」事業と言えます。それは砂浜の持つ複雑多様な自然構成があるが故にウミガメが成育するのであって、安易な関与と種の集約は人から見た「生産性」のみを求めています。この生産性に偏ると、発生環境の均一化を進めることになり、多様な環境の影響を受けて成長する爬虫類、特にアカウミガメは多様性を失います。複雑な砂浜環境を発生地とするウミガメにとってはまさに逆行する行いと言えます。多様な環境「砂浜」を再生・構築することが真の「生物多様性事業」と言えるのです。

 この「孵化場」事業では何故に話し合いができないのでしょうか?
表浜ネットワークは長年、この表浜で自然再生と調査に取り組んできました。豊橋市環境保全課へウミガメの上陸産卵等に関するデータを無償で提供してきました。しかし、今回の孵化場に関する事業についてはこちらには話し合いどころか連絡も一切ありませんでした。閉鎖的な状況で進められ、ここに至った経緯も不明です。
私たち市民は養浜活動などで一生懸命自然の砂浜づくり「ウミガメの里浜づくり」として実施しているのですが、何も知らされず、このような形で進められるのは遺憾ですし、どうも理解できません。この事業を提案された経緯をお教えください。この事業に関わる愛知県環境保全課へも事業の経緯の説明と話し合いの場を求めたにも関わらず、その後全く連絡はなく、孵化場ができあがってしまいました。できあがった孵化場の運用について話し合うのですか?この孵化場がウミガメにとって非常に悪影響を生じる可能性があるのにもかかわらず

表浜は比較的に豊かな砂浜を保っています。
例え、流出の可能性がるとしても、先に実態をしっかりと把握する必要があります。

流出の対策?「孵化場」の前に
やるべきことは沢山あります。

・「孵化場」を作るまえに、どのぐらい産卵巣が流出するのか調査するべきです。

 砂浜は複雑な環境です。実際に流出の可能性を見出すのは困難です。判断には経験差が生じます。

・移植による、孵化率の調査を行うべきです。
 私たちも行っていますが、孵化率の増減の要因は把握出来ていません。

・孵化場の運営に無理が無いのか、しっかりと検討すべきです。

 いったん、作ってしまうと砂の入れ替えや、脱出時の注意などとても大変です。
 また、イタチなど小型の生き物の餌場と化してしまう恐れもあります。

建設中の「孵化場」
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果たしてこのような囲いに囲み込んだ保護が多様性を理解した事業と言えるのでしょうか?
狭い囲いの中は均一な環境にならざる負えません。
ウミガメは二億年近く、砂浜と海洋に生きる道を見言い出してきました。
人の保護(過剰関与)という生態を無視した行いに「生物多様性」を見出すことは無理でしょう。今でも間に合います。考え直しませんか?本当の「生物の多様性」を見出す事業に。

届けられたご意見

6年間、海亀調査に携わってきましたが
私の経験上では建物で囲った孵化場は
子亀(稚ガメ)にとって無用な物です。
建物の造りはどのように形式で建てるかは分かりませんが
子ガメの孵化、脱出は一般に夜と思われていますが
夜、夜中だけだとは限りません。
私の所(湖西)では去年、夕日が沈みかけている時に
脱出劇が有り孵化、脱出した稚ガメは全部が砂浜を夕日に
向かって歩いて行く稚ガメがが確認されました。
AM7時の太陽が眩しい朝の時もありました。
それから自力で海に向かって行きます。
孵化場内から出られなかった稚ガメは天敵に襲われる事も無く
安全かもしれませんが1分1秒でも自力で安全な海域に向かって
24時間泳ぎ続けます。
建物から出られない場合でも自然と海の方向に壁があれば
海の方向でもがいています。
砂丘の植生の根は砂の中の卵の温度調整に
大切な仕事しています。
大雨で発生する洪水の流出、台風波に流されるのも
防ぐ役割をしているのは植生の根です。
建物内の砂も2年に1度は1m以上砂を掘り出して
入れ替えなければいけません。
建物を建てるのでしたらまだロープで囲い
海亀の卵が入っていますから皆さん!暖かく見守って下さい。の
たて看板を立てた方がまだましと思います。
管轄外の私がこのような書き込みをして何だ!と思われますが
建設に携わっている皆様、もう1度お願いします。
他方面の話も聞いて最善な方向性を取って下さい。 
お願いします。(U)さん


生物の多様性の上に成り立つ繊細なバランスを一切無視した行為に見えますね。
case-by-caseもありますから、必ずしもこの手法が間違っているかは素人の自分には判断できません。
しかし、本来の目的を見失っているように思います。
我々が真剣に取り組まねばならないのは、希少種のウミガメの孵化率・孵化数を向上させることだけではないはずですよね。
複雑・多様化した自然環境の中で、共生していく道を追求すべきでは…
一体この事業は誰の管轄で行われているんでしょうか?
せっかくのエココースト事業も矛盾した環境整備計画の中で反故にならないことを祈ります。
暫く活動に参加させて頂いていなかった間に、エココースト事業が発表された折には本当に嬉しかったのですが…
以前、田中代表が「ウミガメも人間も自然の一部」とおっしゃっておられました。
当たり前のような言葉ですが、そういった観点は本当に大事ですよね。
地球を使った水族館が作られているようで、一市民として危機感を感じます。(S)さん

Comments:7

名古屋いとう 2009-03-12 (木) 20:56

ビックリです。。
驚いて言葉を失いそうですが、
これはこんな事が行われ続けるなら、
海岸の施設は一切いらないと言いたいです。
何かのワナでしょうか・・。
抗議をするのがいいのか署名をするのがいいのか
わかりませんが、
何かしないといけない思いであります。

matsubara 2009-03-12 (木) 21:26

この事業が愛知県のどの部署で担当しているのか。誰が事業計画の責任者かを聞いて確かめることが最初です。その計画にOKを出した理由を聞いて、問題があるならそこで異議を言うということになると思います。
 写真で見るような小さな檻の中にウミガメを囲い込んでは保護も保全も何もありません。考えた人は何か根本的な無理解があるのでないでしょうか。

Omotehama 2009-03-12 (木) 22:36

伊藤さま:こちらもびっくりです。一番気に入っていた砂丘棚でした。ハマヒルガオとハマエンドウが綺麗なんです。ここはガキの頃、寝泊まりしていた場所でもあります。
matsubaraさま:
コメントありがとうございます。実は昨年、このような話しが浮上した時に意見したことがあったのですが・・・・。野生動物を狭い柵に囲い込んで保護というのは、本当に考え直して頂きたいものです。

シンラコウ@ 2009-03-13 (金) 12:45

こんにちは。はじめまして。
いつも楽しみに拝見させて頂いております。
よくそちらへサーフしにお邪魔させて頂いている者です。
難しい問題ですね。。。
Omotehamasa様達の活動を全力でなされている人達がたくさんいる。
一方ではこのような事業計画をなさる方達がいる。
みんな自然のためと思い活動なされているのでしょうね。
人間は人間の価値観の中でだけ自由に物事をとらえてる、とらえてしまいがちな思考が自分を含めてあるように感じます。
人は変わる。何時か何十年か何百年か先にかはわからないけど一人一人が自然を意識したがら生活する日が来るといいですね。
よく海に入らせて頂いているものとしてコメントさせて頂きました。
これからも活動応援してます。

今村けんきゅーいん 2009-03-13 (金) 19:39

シンラコウ@さま

コメントありがとうございます。
そうですね。私たち人間の活動が常に正しいとは限りません。
だけど人は経験から変わることができます。
生物多様性という言葉は多様な生きものの環境を守ってこそです。
都合のよい形式だけの保護ではなく、砂浜全体を、そこにある文化を、そこにすむ生きもの守ることに全力を尽くしたいと思います。

かすみとラム 2009-03-14 (土) 10:03

はじめまして! ほぼ毎日楽しみに拝見しております伊良湖プチ移住者です。
この様なことが行われているんですね、驚きです!
昨年初めてビーチでの、産卵孵化を目の当たりにして感動の時を
頂きました、その場所も簡単な柵、ネットと、立て看板でしたが
無事、孵化直後に海に旅立ちました、感動で、ワクワクの一夜でした。
これからも活動陰ながら応援させていただきます。

今村けんきゅーいん 2009-03-15 (日) 12:26

かすみとラムさま
コメントありがとうございます。
孵化場自体が悪いのではなく、まだ自然が残っている場所に影響についてよく調べないまま、孵化場を建設してしまうことが問題ですね。今後も私たちの活動の応援をお願いします。

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